サロンやクリニックで脱毛の施術を受けた後は、すべすべの肌に近づいているのを実感できて気分がはずむものです。
しかし、レーザーや光による脱毛も肌や体への負担がないわけではありません。
脱毛後の肌のトラブルを防ぎ、脱毛を成功させるためにはどんなことに気を付ければよいのでしょうか。
そのポイントをご紹介します。
脱毛直後の肌の状態
専用のジェルやローションを塗り、肌への負担を軽減するように配慮したうえでプロが施術しても、脱毛直後は肌に熱がこもりやすく、乾燥しやすい状況になります。
そのため、肌が敏感になり、かゆみや炎症などのトラブルを起こしやすくなってしまうのです。
脱毛してから数日間は、いつもより念入りにケアするなど、肌をいたわってあげる必要があります。
脱毛直後のスキンケア
脱毛の施術を受けた当日のお肌は、とてもデリケートになっています。
ダメージを受けた肌にとっては、いつも通りのスキンケアでは刺激が強すぎることもあるのです。
下記に挙げる点は特に注意して、摩擦と刺激をさけて、脱毛で疲れている肌をやさしくケアしてあげてください。
- 洗うのも拭くのも優しく
- 敏感肌用のスキンケア用品で保湿
洗うのも拭くのも優しく
脱毛直後の肌はとても敏感になっています。
ボディブラシやタオルなどでこすると肌に傷がついてしまい、炎症の原因になってしまうケースも少なくありません。
石鹸をよく泡立て、泡を肌にのせてやさしくなでるくらいでも肌の汚れは十分きれいになります。
また、メンソールなどが配合されているものや、洗浄力が極端に強いボディソープや洗顔フォームは、刺激が強いので使わないようにしましょう。
入浴を終えて体をふく時も、体をこすらずそっとタオルを押し当てて、水滴をとるようにしてください。
敏感肌用のスキンケア用品で保湿
脱毛後の保湿ケアはとても重要です。脱毛後の肌のケアを怠ると、乾燥で肌が粉を吹くような荒れた状態になってしまう、あるいはしわができてしまうケースもあります。
さらに、脱毛のダメージの回復が遅くなることで、肌そのものが乾燥肌や敏感肌に変わってしまうことさえあるのです。
敏感肌用やベビー用などの低刺激な保湿剤を使用して、やさしくケアしてあげましょう。
脱毛期間中は、普段のケア用品に加えて敏感肌用のケア用品を備えておくと安心です。
赤みやかゆみが出たら
脱毛施術の直後は赤みやかゆみが出ることがあります。
その場合、まずは患部をタオルなどで冷やして様子をみてください。多くは2~3日で治まります。
また、クリニックで渡された薬があれば指示通りに塗布して様子をみてください。
症状が強い場合は火傷の可能性がありますので、すぐにクリニックまで連絡しましょう。
こうした症状が出た場合、現在の施術のダメージが大きい可能性が考えられるので、症状が治まった場合も、次回施術時に、かゆみや赤みがあったことを必ず伝えることが大切です。
冷やしたタオルでクーリング
自分でクーリングする際は清潔なタオルを水で濡らして、肌にそっと乗せて肌のほてりをとってあげましょう。
クリニックでは、脱毛施術が終わると保冷剤を使って冷やすことがあります。
しかし、家庭でクーリングする際、保冷材を使うと、ついつい冷やしすぎてしまいトラブルの原因になることがあります。
また、過度に冷やすことで脱毛の効果が薄れてしまうこともあるのです。
これらを防ぐためにも、常温では物足りない場合でも、タオルを冷蔵庫で冷たくしてクーリングする程度にして、保冷材は使わないようにしてください。
強い痛みがあるときは病院へ
4人に1人程度、脱毛を受けた後にやけどや痛み、ヒリヒリ感などの身体症状が生じる場合があります。
特に、顔やわきの下、ひざ下の脱毛で症状が出る場合があるようです。
こうした症状が出る原因として、脱毛の施術は熱や光を用いて毛根にダメージを与える方法で行われるため、やけどや肌に熱がこもって乾燥すること、毛根のダメージなどが原因になっている場合が考えられます。
強い痛みがあったり、何日も症状が続いたりする場合は施術したクリニックやサロンへ相談しましょう。
脱毛直後にしてはいけないこと
脱毛直後のデリケートになっている身体は、些細なことで悪影響を受けます。
脱毛後の日常生活の中で控えたほうがよいことは、次の8つです。
- 入浴(シャワーは可)
- 飲酒
- プール
- 激しい運動
- マッサージ
- 日焼け
- 制汗剤
- 予防接種
これらの行為を脱毛直後におこなってはいけない理由を、次の項目から詳しくご説明します。
入浴
施術直後の敏感な肌はダメージを受けやすいので、入浴することでかゆみやほてりといった症状が出るケースもあります。
これを避けるためにも、脱毛当日は入浴だけでなく、温泉や岩盤浴やサウナも控えてください。
サロンやクリニックで行う脱毛は、光やレーザーで毛根部にダメージを与える施術です。
施術の際、むやみに肌全体に熱をかけているわけではありませんが、毛根の周りの細胞へも熱が伝わってしまいます。
そのため、お肌も多少は熱によるダメージを受けてしまうのです。
ほてりや赤み、かゆみの症状がなければ、脱毛した翌日からは入浴可能です。
飲酒
アルコールを摂取すると血行が良くなり、体温が上昇します。
脱毛で熱がこもった肌に、さらに体の内側からの熱が加わることでかゆみが増したり、炎症を起こしたりしてしまう恐れがあります。
また、お酒を飲んでいると抑制が効かないので、寝ている間に肌をかきむしったりしてしまうリスクもあります。
少なくとも、脱毛前後12時間は、お酒を飲まない方がよいでしょう。
プール
多くの人が入るプールや温泉には雑菌がたくさんいます。
肌のバリア機能が落ちている脱毛後に、プールに入ると感染による肌のトラブルのリスクが上がります。
またプールの消毒薬は刺激が強いので、脱毛の前後1週間はプールに入らないようにしましょう。
脱毛後1週間が経過し、肌の症状が治まっていればプールに入っても問題ありません。
激しい運動
運動すると、体温が上昇して汗をかきます。
体温が上がることで肌の赤みやかゆみが増してしまうだけでなく、汗をかくことで毛穴が広がり、雑菌が入り込んでしまう可能性があります。
乾燥やかゆみだけでなく、炎症などのトラブルのもとにもなるのです。
肌の赤みやかゆみ、違和感が全くなくなるまで、激しい運動は避けた方がよいでしょう。
マッサージ
脱毛後、肌のために避けなければならないのは熱と摩擦です。
バリアが薄くなっている肌をマッサージでさすったりすると、見えない傷が肌にたくさんついてしまうことがあります。
同様に、毛穴にもダメージを与えてしまうことがあるのです。
脱毛施術後2日間が経過して、肌の症状が治まり、違和感がなければマッサージも可能ですが、いつもより優しく慎重に行ってもらうようにしましょう。
日焼け
日焼けはお肌の大敵です。さらに脱毛後の肌は敏感な状態ですので、強い紫外線を浴びると炎症を起こすことがあるので、特に注意が必要です。
日焼け対策として効果のある日焼け止めクリームですが、日焼け止めクリームは刺激が強いものが多いので使用せず、帽子や日傘などで日焼け対策することをおすすめします。
日焼けがひどいと脱毛の施術ができないこともありますので、脱毛の施術を受けている期間を通して、日焼けしないように気をつけましょう。
制汗剤
制汗剤は、毛穴を塞いで汗を出さないようにするものですので、脱毛直後の毛穴が開いている状況で使うと、毛穴が引き締まりにくくなってしまいます。
また、制汗剤の中には肌への刺激が強いものもあるので、施術直後のデリケートな肌に塗布してしまうと肌が荒れる、炎症を起こすといった症状が出る可能性もあります。
施術後に開いた毛穴は、翌日には元に戻りますので、制汗剤も翌日からは使用できます。
予防接種
予防接種はごく弱いウイルスを一度体内に入れることによって、そのウイルスに対する免疫を得るために行うものです。
通常の健康な状態でも、軽い発熱や発疹などの副反応でることも少なくありません。
ただし、副反応は体調が悪い時ほど出やすいものです。
脱毛後の体はダメージを受けている状態ですので、脱毛前後10日は予防接種を受けないようにしましょう。
脱毛直後の自己処理
自己処理の方法や道具に気を配り、一番刺激のない方法で行いましょう。
脱毛直後はついつい肌やムダ毛が気になってしまうものです。
ですが、見つけたムダ毛をいつも通りに自己処理してしまうのは肌トラブルのもとになります。
特に、肌の角質を削り取ってしまうカミソリでのシェービングや、毛穴の奥を傷つける恐れがある毛抜きを使った自己処理は絶対にしないでください。
毛抜きの使用はNG
毛抜きやワックスを使った脱毛は、肌への負担が大きいうえに、無理に毛を抜き取るので毛穴の中を傷つける恐れがあります。
また、抜いてしまうことで毛周期が乱れてしまい脱毛の効果が落ちることもあります。
脱毛施術後、抜けた毛が毛穴に残っていると抜きたくなることがあるかもしれませんが、自然に抜け落ちるまでは毛抜きやワックスを使った自己処理は絶対に行わないようにしましょう。
また、施術後に残った毛が気になるといって毛抜きで引っ張ってしまう方がいますが、施術直後のデリケートな毛穴周辺の肌に大きな負担をかけてしまい、かゆみや炎症などを起こしてしまう可能性もあるため、施術直後に毛抜きで毛を引っ張ることも厳禁と覚えておきましょう。
自己処理はいつからしていい?
どんな方法でも、ムダ毛の自己処理は肌へ負担を与えます。
少なくとも脱毛施術後1週間程度はムダ毛の手入れを控えてください。
施術後1カ月くらいたつと毛周期により新たに体毛が再生してきますので、このころには自己処理をして構いません。脱毛施術を繰り返すうちにムダ毛の全体量も減ってくるので、気にならなくなります。
処理するときは電気シェーバーで
ムダ毛の自己処理の中で、肌への負担が一番少ないのは電気シェーバーでのシェービングです。
カミソリは肌の角質まで削り落としてしまいますが、電気シェーバーは肌に直接刃を当てないので肌を傷つけません。
電気シェーバーで処理した場合、カミソリや毛抜きに比べると少し肌表面がザラザラしますが、そこは脱毛を成功させるために、ぐっと我慢しましょう。
まとめ
脱毛後、バリアが薄くなった肌やダメージを受けた毛穴のために避けなければならないのは、熱と摩擦、そして菌などの感染です。
また、脱毛の効果を落とさないためには、肌の保湿をこころがけること、毛周期を乱さないことが大切です。
脱毛の施術を受ける前後に少しだけ気を付けるだけで、トラブルなく効果的にサロンやクリニックでの脱毛を進めて行くことができるのです。
カウンセリングや施術の前後に説明があるサロンがほとんどなので、注意事項をよく確認し、施術後のデリケートな肌を守るようにしましょう。